FXでハーモニックパターンが見つけやすい通貨ペア5選と日本での時間帯について

今回はハーモニックパターンにおける雑学を少し紹介したいと思います。

ハーモニックパターンの発案者:スコット・カーニー(Scott Carney)

まずは、そもそもハーモニックパターンって誰が作ったの?という部分について触れていきます。

ハーモニックパターンの起源は、1935年に出版されたH.M.ガートレーの著書『Profits in the Stock Market』に記載された「ガートレー222」という手法に遡ります。

その後アメリカのトレーダーでありアナリストでもあるスコット・カーニー(Scott Carney)という方によって提唱されました。

1990年代、フィボナッチ比率を基盤にした調和のとれたチャートパターンを発見し、自身の著書によって数学的根拠に基づく体系化された分析手法として世の中に浸透させていったわけです。

そしてスコット・カーニーは、ハーモニックパターンの有効性を証明するために、次のような条件が重要であると述べています。

  • 価格が「自然なリズム」を形成する市場であること:流動性が高い市場でこそ、フィボナッチ比率が反映されやすい。
  • 明確な波動の流れ:価格がトレンドの中で規則的に推移する通貨ペアは、ハーモニックパターンが認識しやすい。
  • 心理的な影響が大きい市場:為替市場は心理的な影響を受けやすいため、投資家心理を反映したパターンが顕著に表れる。

基本的にハーモニックパターンはどの市場においても適用できるものですが、これらの条件を参考に、ハーモニックパターンが見つけやすい通貨ペアを選ぶことが望ましいです。

ハーモニックパターンが見つけやすい通貨ペア

1.高い流動性を持つ通貨ペア

ハーモニックパターンは価格の波動をベースとして構築されていきます。
レンジになりやすかったり、上下に髭を出し合って乱高下しているような相場では確認するのが難しくなってきます。

なので取引量が安定している通貨ペアを選ぶ、というのがまずは大事な要素となってきます。
以上のことからまずは以下2つの通貨ペアが考えられます。

  • EUR/USD(ユーロ/米ドル):世界で最も取引量の多い通貨ペアで、価格の動きが安定しており、パターンが形成されやすい。
  • USD/JPY(米ドル/円):トレンドが明確で、フィボナッチ比率を基にした反転ポイントが認識しやすい。

2. 波動(トレンド)が安定している通貨ペア

次に波動が安定している通貨ペアというのも選択肢に入ってきます。

  • AUD/USD(豪ドル/米ドル)やNZD/USD(ニュージーランドドル/米ドル):商品市場との相関性が高く、トレンドがわかりやすい。
  • GBP/USD(ポンド/米ドル):高ボラティリティながらも、フィボナッチレベルでの反発が起きやすい。

オセアニア系の通貨ペアは僕のトレード記事でもよく出てきますが、波動(トレンド)の形が安定しているという特徴を持っています。

形が綺麗に整いやすい通貨ペアの代表格だと思いますので、ハーモニックパターンも確認しやすい通貨ペアだと言えるでしょう。

3. ボラティリティが高い通貨ペア

価格変動が活発な通貨ペアでは、短期間でパターンが形成される可能性があります。

  • GBP/JPY(ポンド/円):ダイナミックな値動きが多く、トレンドの転換ポイントを捉えやすい。
  • EUR/JPY(ユーロ/円):クロス円としてボラティリティが適度に高く、パターンが出現しやすい。

これらは個人的に苦手としている通貨ペア代表です。僕のトレード記事でもめったに出てこない通貨ペアですが、上下の値動きが激しく、頻繁にパターン検出されることがあります。

しかしその分パターンが崩れるのも早いので、正確かつ早急な見極めが必要になってきます。上級者向けな通貨ペアですね。

ハーモニックパターンが見つけやすい通貨ペア:まとめ

ということでおすすめ通貨ペアは・・・

USD/JPY・EUR/USD・AUD/USD・NZD/USD・GBP/USD

の5つです。

ハーモニックパターンというのはフィボナッチ比率を元にトレーダーの行動や心理を反映したチャートパターンであるため、多くの人が注目する、取引量の高い通貨ペアを選ぶことが大事です。

ハーモニックパターンが見つけやすい時間帯

次にハーモニックパターンが見つけやすい時間帯についても掘り下げていきます。

これまで解説したことを元にすると、「市場が活性化するタイミング」が大事だということが分かると思います。

1. ロンドン市場オープン

ロンドン市場のオープン時は取引量が増加し、新しいトレンドが始まりやすいと言われています。
その影響でハーモニックパターンが出現しやすいと言えるでしょう。

  • 夏時間: 日本時間 16:00 ~ 18:00(オープンから2時間ほど、トレンドが形成されやすい)
  • 冬時間: 日本時間 17:00 ~ 19:00

新しいトレンドのスタートや押し戻しが発生しやすく、特にガートレーパターンクラブパターンのような初期の転換型パターンが出現しやすいと言われています。

2. ニューヨーク市場オープン

ニューヨーク市場では特にドル関連の通貨ペアに大きく動きます。

ロンドン市場との重複時間(クロスオーバータイム:日本時間21:00~24:00)は、流動性が最も高い時間帯で、ハーモニックパターンが形成されやすい状況を生み出します。

  • 夏時間: 日本時間 21:00 ~ 翌1:00
  • 冬時間: 日本時間 22:00 ~ 翌2:00

特にバタフライパターンAB=CDパターンが発生しやすいと言われています。

市場ごとの取引時間(日本時間基準)

市場 夏時間(3月第2日曜日~11月第1日曜日) 冬時間(11月第1日曜日~翌年3月第2日曜日)
ロンドン市場 16:00 ~ 24:00 17:00 ~ 1:00
ニューヨーク市場 21:00 ~ 翌5:00 22:00 ~ 翌6:00
アジア市場(東京) 08:00 ~ 16:00 08:00 ~ 16:00
オセアニア市場(シドニー) 07:00 ~ 15:00 06:00 ~ 14:00
ヨーロッパ市場(フランクフルト) 15:00 ~ 23:00 16:00 ~ 24:00

特にロンドン・ニューヨーク市場はチャートの動きが活性化しやすい傾向があります。

スキャルなのかデイトレなのかによって見ていく時間足や波動のサイズ感が異なりますが、ハーモニックパターン以外でも市場が動きやすいタイミングを知っておくことは大事ですね。

3. 重要な経済指標発表時間

経済指標や重要イベントでは大きな値動きが発生します。
短期間でフィボナッチ比率に達する動きが見られ、急激な転換パターンが出現することがあります。

  • 日本時間08:50(日本の指標)
  • 日本時間15:00~18:00(欧州関連の指標)
  • 日本時間21:30(アメリカの雇用統計やGDPなど)

ハーモニックパターンが見つけやすい時間帯:まとめ

ハーモニックパターンは、トレンドの転換や価格の調整局面で形成されることが多いため、市場が活発に動く特定の時間帯で見つけやすくなります。

アジア市場(日本時間08:00~12:00)などは基本的に流動性が低く値動きが穏やかですが、調整波の形成が進み、AB=CDパターンやガートレーパターンが出現する可能性があるとされています。

まとめ

USD/JPY・EUR/USD・AUD/USD・NZD/USD・GBP/USDといった取引量の多いメジャー通貨ペアを基本とし、ロンドン・ニューヨーク市場を中心とした市場が活発な時間帯を狙ってトレードをしていくことが望ましいと言えます。

ハーモニックパターン云々という以前に、「FXトレードにおける基本」のようにも思えますね^^;

どのようなトレード手法を用いるにしても、「多くの人が注目するポイントがある」からこそチャートは動くわけで、これはハーモニックパターンを活用したトレード法でも同じだということですね。

ということで今回はこの辺で。ではでは。

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