最近ハーモニックパターンについてあまり触れていないので改めて解説していきたいと思いますが、今回は数値がどうのこうのとかみたいな話はあまりせずに行こうと思います。
僕が文系人間なので数字が苦手というのもありますが、とりあえず小難しい話は抜きにしてハーモニックパターンを意識出来るようになる方法について解説します。
正確な数値云々細かい話が知りたい方はかなり昔に僕も記事を書いています(右上サイト内検索で「ハーモニック」で検索!)し、他サイトも充実してますのでそちらを参考にされてください。
ハーモニックパターンについての「イメージ」を固めてもらうことで、なんとなくでも「あ、これは・・・」みたいな風に見ていけるようになるのが理想です。
そうしたイメージ固めのためにも今回は「超簡単なハーモニックの探し方」を解説します。
探せるようになるというか、意識出来るようになるためのイメージのお話です。
結局はチャートパターンの一種ですので、ぱっと見でイメージから予測が立てられるようになると実践でも使っていけるのではないでしょうか。
ハーモニックパターンというのはどういう時に出現し、なぜ効くのか、というのを超わかりやすく解説していきたいと思いますので最後までよろしくお願いいたします。
ではいってみましょう。
目次
ハーモニックパターンのイメージ論
ハーモニックパターンといえばお馴染みの、フィボナッチ数字が書かれたこうしたチャートパターンのことですよね。
「ここからあそこの地点までのフィボナッチ比率が~」とかやるのはめんどくさい(ツールがあるし・・・)ので、僕が個人的にやっているイメージ論をまずはお話しします。
「右肩上がり、右肩下がりのダブルボトム・トップ」が出たらハーモニックをイメージしておく
これだけです。
もちろんすべてのハーモニックパターンにおいてこのイメージが通用するかといえば違いますし、右肩上がりのダブルボトムとか言えないレベルの右肩上がりでもハーモニックにはなります。最初の入門的なイメージとして、ダブルトップ・ボトムといった王道パターンの派生形というイメージで見ておくといいでしょう。
ダブルボトム・ダブルトップという誰でも知ってるチャートパターンをベースに見ていくイメージを持つことで、ハーモニックパターンに難しさを感じている方でもとっつき易くなるのではないでしょうか。
意識するタイミングとして、ダブルトップ・ボトムのでの見方で言えばネックライン、普通の波動で見るならばラス押し戻りのような場所となるラインを越えたらハーモニックを意識してみるのです。
ハーモニックパターンの言葉で言うならば、「AとC(トップorボトム)とB(ネックライン・ラス押し戻り)」のポイントだけまずは最初に見ておくわけですね。
その上で少し深堀してみるならば・・・
- 右肩上がりのダブルボトム、右肩下がりのダブルトップ=ネックライン抜けによってトレンドが完成する形が王道4種「バット・バタフライ・クラブ・ガートレー」です。
- 右肩下がりのダブルボトム、右肩上がりのダブルトップ=ネックライン抜けの段階ではトレンドが無い形が「サイファー・ネンスター・5-0パターン」です。
ちなみにハーモニックパターンの5-0パターン(いつもの型)とAB=CDパターン(1波=3波)というのが僕がメインで使っている手法そのままです。
という感じで、まずは「どうイメージしておくと簡単なのか」というのはわかって貰えましたでしょうか。
では次に、「何故ハーモニックが効くのか」という原理を知っておきましょう。
ハーモニックパターンが効く理由
フィボナッチが何故効くのか、という詳しい理由はおいておいて、スイングに対してフィボナッチを引いてみるとその後のスイングが特定の数値で反発する可能性がある、というのだけはなんとなく知っていますよね。
ハーモニックというのは、そうした異なるスイングに対してフィボナッチを引いていったトレーダーのエントリーポイントが重なる地点を導いたもの、なわけです。日本語難しいですね。
ハーモニックパターンでは主にD地点からのエントリーが推奨されています(各ポイントから引けるフィボナッチラインが重なってくるゾーン(PRZ)から仕掛ける)
異なる波から見た影響力を考えるとは?D地点とはそもそも何なのか。
これはどういうカラクリなのかを簡単に理解しておきましょう。
先ほど解説した、異なる波動を見ているそれぞれのトレーダーのエントリーポイントが重なるということを前提に考えていきます。
- XA波を元にリトレースメント(例:88.6)を重視しているトレーダー
- BC波を元にエクステンション(例:1.618)を重視しているトレーダー
- ABC波のエクスパンション(例:1波=3波)を重視しているトレーダー
最終的にどこをD地点にしていくかはハーモニックパターンの形状によって変化するものですが、XAの波、ABの波、BCの波、これら3つの波はそれぞれで反応ポイント候補である「D地点」を持っていて、3つの異なる波を基準に算出したにもかかわらずに同一の場所に反応ポイントが来ることがある、というのがハーモニックパターンの考え方です。
相場の波にはそれぞれ力があるという考え方の元、その力がかかる場所が重なるならもっと強い力が働くよね(D地点)っていう話です。
じゃぁ適当な波から算出しても良いのではないかという話になってくるので、確率を上げるために「ある程度の調和(ハーモニック)の取れた形を基準に狙いましょう」ということで定義されたのがハーモニックパターンです。
その調和を何で判断するのか、というツールがフィボナッチなわけですね。
市場の価格がフィボナッチ比率に従って調和的に動くという理論を反映したのがハーモニックパターンなのです。
ここまでのまとめ
ハーモニックパターンのD地点は、複数の波動分析手法(リトレースメント、エクステンション、エクスパンション)が交差するゾーンとして形成されるということ。
- D地点の信頼性が高まる条件
- XA波、BC波、ABC波の各分析手法で一致するゾーンがPRZ(潜在的反転ゾーン)となる。
- 異なるトレーダーがそれぞれの基準で注目するため、価格の反転が起こりやすくなります。
こういった話を聞いていると、ハーモニックっておもしれ~ってなりませんか?
これがちゃんと活用出来れば、良い武器になることでしょう。でもその前に現実的なことも知っておいてください。
ハーモニックパターンの現実を知ろう
ハーモニックパターンを意識するタイミング、そしてハーモニックパターンによる反転ポイントの理解、ここまでが出来て初めて「じゃぁ具体的にどういった数値で調和をとって、どの地点(D)からエントリーを考えれば良いのか」という話になってきます。
そのためにバットやクラブ、ガートレーといったパターンの成り立ちを学習していくことになるわけですが、その前に一つ意識しておかなければならないことがあります。
まず個人的な話ですが、僕はハーモニックパターンを主としてトレードすることはほとんど無く、あくまでも補助的な要素として見ています。
ライントレードのスキルがある上でハーモニックの考え方を足すのは良いと思いますが、ハーモニックパターンだけを頼りにエントリーするというのはお勧めしません。
これはハーモニック界における多くの有識者の方々が言っていることだと思います。(MACDやRSI等その他ツールとの併用を推奨している)
つまり、D地点を算出した上でのプラスαの要素が必要ということですよね。
だったら普段の裁量ライントレードベースで考えてそこにたまたまハーモニックが見つけられてるくらいの方が良いじゃんという思考が僕の中にあるわけです。
調和関係における予測地点よりも、実際の値動きを元に考えたラインベースの予測地点の方が上であるという考え方ですね。この辺は賛否両論あると思いますのであくまでも僕の考えということで・・・
こうした実際の値動きを元に考えたラインベースの予測地点を見つけていった上で、それは実はハーモニックなんだよっていう話があるわけですね。
こうした5-0パターンというのはその最たる例です。ハーモニックパターンの基礎でもあるABCDパターンというのも、僕が普段言ってる1波=3波の話と同じです。
たまに「ハーモニックはトレードで使ってないのですか?」という質問を頂きますが、そう書いてないだけで実は使われてることもあるよということですね。
その上で僕がガートレーやバットパターンがどうのこうのという話をあまりトレード記事でやっていないのかという部分を、ハーモニックパターンの現実として紹介したいと思います。
ハーモニックパターンの有用性については僕も理解していますし、知っておいて損はないと思っていますが、「逆張りになりやすいハーモニックエントリー」という性質上「僕の目指すトレードスタイルの中で有効な場面が少ない」というものがあるのです。
ちょっとハーモニックパターンに対するネガティブな意見になりますが、あくまでも僕のスタイル(トレンドフォローが基本のデイトレ)の中では、ということで聞いてください。
実際のチャートを使って分析してみる
これはつい最近のドルスイスの日足です。
普段のトレードであれば、こういった大きな3波目として伸びる場所を狙っていきたいわけです。
普段やっているような認識なら簡単に狙っていけるイージー相場です。
まずはしっかりN字を付けてトレンド転換を果たし、その後の戻りがどこまで入るかなっていうのを予測しておきます。
戻りが入る候補としてはラス押しや直近トレンドライン付近になってくるので、大体赤丸くらいまで戻って来たタイミングで短期足に切り替えて観察することになります。
改めて全部は解説しませんが、普段はこんな感じでエントリーすることになります。
じゃぁここにハーモニックパターンを当てはめてエントリーできるかどうかを見ていきます。
めんどくさいのでツールを使います。
全部表示させたのでごちゃごちゃしてわかり辛いですが、青色のパターンで検出されるものはすべて買いパターンです。
こんな感じで、環境認識によって売りとして狙っていきたい相場において、買いのパターンで出てくることが多々あります。
もちろんそれが分かった上で逆張りを狙うのであればそれはそれで良いと思います。
<BATパターン>
<オルトバットパターン>
こんな感じで、長期の下落の流れの戻りの動きを狙いたいというのであれば有効なのかもしれません。
でも1波=3波になる場所にある親波節目までは乗ったら放置というのが僕のスタイルなので、その間の戻りの部分をあえて狙うということはあまりしていないというのが現状です。
こういった場所も狙っていきたい、そのための逆張りの根拠が欲しい、という場合であればハーモニックパターンを利用するメリットが見えてくるかと思いますが、「逆張りはそもそも根拠が薄くなる+利確場所を定めるのが難しい」という側面があるので「難しいトレード」をやることになってしまいます。
また次回書こうと思いますが、ハーモニックパターンを使って難しいトレードをするのか簡単なトレードをするのか、そういった相場背景を読み解く力というのが絶対的に必要なスキルです。
ハーモニックパターンはどういう時に出るのか
ハーモニックパターンをツールを使って自動で描写させてみると、いたるところに出現しているのがわかります。
先ほどの場面から現在までのドルスイス4時間足チャートにツールで描写したものです。
このツールで描写されたハーモニックの通りにエントリーしてターゲットラインまで狙ったとしたら負けまくりで大損食らってると思います。
ちなみに日足で一番ハーモニックっぽい形がこれだと思いますが、これは違うみたいです・・・
何処まで伸びるかわからない1波の場所になるのですが、もっと下まで下がっていればバットパターンで良かったと思います。でも全然関係ない所で反転して2波を出して後に続くという動きになっていました。
こういう場所でハーモニックが効くことがあれば、2波の段階から狙っていけるんですけどね。
まぁこういう予測の選択肢が増えるということで・・・
という感じで、チャートというのはある程度の調和を保ちながら動いていく性質があるので、割といたるところで何かしらのパターンになっていることが多いです。
これを分かった上で、どうやって勝率を上げていくのか、というのが大事ですよね。
ここでは詳しくはやりませんが、具体的にはこのようなものがあります。
- マルチタイムフレーム分析を活用する→例:日足で出現したハーモニックのD地点付近で、1時間足で出現した別のハーモニックのD地点が重なるように出現した
- MACDやRSIといった指標を使ってD地点における反転ポイントの根拠を強くする
- MAによる相場の流れの判断や、グランビルといった反転根拠をプラスする
- 斜線、水平線による反転根拠をプラスする
一つの時間足でただただハーモニックパターンだけを探していてもダメだということです。これはライントレードでも同様で、1時間足でいつもの型だけ見つけてトレードしていてはダメだというのと同じですね。
色んな要素を良い感じに組み合わせて見ていくことで真価を発揮するのです。
まとめ
ハーモニックパターンとは、勉強しだすと「なんだかすごく良いモノ」のように感じてしまうのですが、実際は結構難しいものだったりします。
「ハーモニックってすごいんだ!これさえ理解できれば自分のトレードが強力なものになる!」みたいな気持ちでやってると痛い目みるかもねっていうことをまずは知っておいてほしいのです。(経験談)
そしてそれを分かった上で活用することに意味があると思います。
先ほども書きましたが、「簡単なトレードが出来る場面で出現するハーモニックパターンを見極めること」がまずは大事です。
具体的には、長期のトレンドフォローの向きと同じ方向に出ていくハーモニックパターンを採用すること、です。環境認識が大事ってことですね。
これを大前提として、色々なハーモニックパターンを見ていけると面白いです。
「このロジック全然ダメじゃん」の繰り返しで聖杯探しの旅が終わらない人も多いと思いますが、ハーモニックもそれで片づけてしまうのはもったいないので、ちょっとでも興味が出たならばこれから一緒に勉強していきましょう。
今回は少しネガティブよりの内容になってしまいましたが、次回から少し掘り下げてちゃんとした解説記事を作りたいと思います。
ということで今回はこの辺で。ではでは。
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