どうも、モズです。
前回の記事に引き続きといった感じで環境認識について解説していきます。
前回紹介させていただいた伝承記卒業生さんの別トレードから場面を引用しつつ、具体的にどういったことに注意すべきなのかを解説します。
今回の場面を簡単に言葉で表すと、長期の上昇トレンドの流れに従って、ラス押しまで落ちてきて反発上昇した1波の流れに乗ったはずなのに負けてしまった。という状況です。
ラス押し反発から狙っていくというのは僕もよくやりますし、エントリー手法そのものだけを見れば間違いではありません。
全ての”手法”に言えることですが、その環境において有効な手法、有効ではなくなる手法があります。
いつどんな環境でも勝てる聖杯手法が無いのはそのためで、同じ手法をやり続けるEAなんかが安定しないのもそのためです。
「こうなったらこうする」という目先の状況から得られる情報だけを頼りにトレードをしていると安定しないので、「こうなったら」の前にある環境に目をやってみるという意識を持ってみてください。
今の状況の一つ前はどうなっているのか、今チャンスだと思っているこの状況は、その手前にあるどんな状況を経て出てきたものなのか、こういった視点を探すのが環境認識です。
環境認識で見るべきことというのは一つでは無いですが、一つの例として今回のことも参考にして頂ければと思います。
前回の記事を読まれていない方はそちらも参考にされてくださいね
では、実際のトレードから見ていきましょう。
卒業生さんのトレード
トレード内容はNZDUSDで2024/06/18ごろからのものです。
画像なので見づらければクリックして拡大してください。
添削返信内容
こちらは環境認識しっかりやっていれば勝負するべき局面では無かったなということに気付けます。
添付2の日足の状況を見て下さい。
まず現在の状況から見た親波で1波=3波のN字を完成させた後に発生した切り返しの1波が、親波3波根本まで一気に登って来た状態だという風に見ていけます。
そしてこの3波根本のラインでダブルトップを作ってネックライン付近まで落ちてきた後に再度ロングを狙おうとしているのが今回のトレードです。
ネックラインを下抜けられずに上昇1波が出たからそこから狙っていこうというシナリオもありですが、既に1波によって行くところまで行ってしまっているので、一旦は2波でしっかりエネルギーを蓄える(親波3波根本をぶち抜くためのエネルギー)期間が必要だなと考えていく方がスムーズです。
直近の流れだけで1波を探していくとこういった事態になりがちなので、大きな目線ではどういう動きがあったのかというのを確認していくのが大事ですね。
補足解説
こんな感じで1時間足だけで見てみると赤丸くらいからロングを狙いたくなってしまってしまう気持ち、わかります。
こういうトレードをやったことが無い人はいないのではないでしょうか??
結論から言ってしまうと、「正しく切り上げ下げラインを活用してエントリーポイントを割り出し続ける作業をするとエントリーポイントが出てこない」というのがわかる場面だったりします。
これはまた後半でお話しします。
まずは環境認識におけるシナリオ強弱の話から見ていきましょう。
環境認識時にチャートを見るべき視野の話
監視通貨があって、「こうなったらこうする」といったある程度の流れが分かった上で4時間足1時間足などで直近の動きだけを見るのは良いです。
サイズ感で言えば、卒業生さんが出してくれてた画像くらいの範囲で良いです。
ただ、環境認識をするときの具体的なサイズ感となると話は別です。
今ココと書いてる場所を見るために、最低でもこれくらいの情報は見ます。もちろん週足でも見ますし、僕のチャートに走ってる青色のラインは週足から引いてるものです。
自分もそれくらいと感じた方も、そうでない方もいると思いますが、最低でも長期的な今のトレンドが孕まれている手前の親波くらいまでは見ておきましょう。
大きく親波と書いた下落の波も、これもまた左の上昇波に孕まれています。この辺までは何となくでいいですが、何となくでも見ておくのは大事です。
今の親波も、かつては小波でした。そして今の小波はそのかつての小波(今の親波)の影響を受けて動くわけで、今の親波がどういう成り立ちを受けていたのかを見ておくことも大事なのです。
ではここで広い視点で環境認識をする上で最優先で見ておくべきラインを紹介します。
いつも書いてますが、「3波根本ライン」です。
じゃぁこの親波を「親波として認識する」タイミングはいつだと思いますか?
いつから小波は小波じゃなくなるのでしょうか?
トレンド転換が果たされたタイミングからです。
今回はラス戻りよりも下の段階で上昇トレンドが発生しているので、ラス戻り抜きからトレンド転換として見ていけますが、トレンドを付けずにラス戻りを抜いただけだと転換にはなりません。
ついでに言うとどういったサイズ感でトレンドと判断するかによって「転換の場所」は変わります。
トレンド転換したからトレンドフォローで今後ロングで狙っていけるのかといえばそんな単純な話では無いので一応注意として書いておくのと、ここを掘り下げるとキリが無いので今回は割愛させていただきます。
今回の場面における、画像内黄色ラインで引いた3波根本を「親波の3波根本」として認識するタイミングはいつか、という視点での解説になります。
ということで話は戻りますが、今回のトレード場面においては「直近の小波は上昇トレンド」で、既に親波3波根本まで到達してしまっている状態という流れになっています。
超大事な3波根本ラインに到達するまでは、基本的な上昇トレンドとしての勢いがある状態なのでセオリー通り狙っていけるような相場だったかと思います。
問題は2回目で止められてしまった場合です。
今回のように親波3波根本という非常に強く注目されるポイント”では無い”場合は、ダブルボトムのネックラインを下抜けずに再度のチャレンジで上抜けていくことはあります。
ただ今回はラスボスクラスで大事な親波3波根本ラインからで出たダブルトップとなるので注意すべき場面だったかと思います。
こうなった場合どうするかといえば、決着がつくまで待つのがとりあえずの正解です。ネックラインを下抜けるのか、はたまた3波根本ラインを上抜けるのかのどちらかを待つということですね。
とは言えここで生まれるのは「レンジトレード」の概念です。
こうしたシナリオも十分考えられますし、ラス押し反発からレンジ上限を狙っていくトレードは悪くありません。
ここで出てくるのが正しい切り上げ下げラインを用いたトレード手法になるわけですね。
切り上げ下げラインを正しく使ってエントリーポイントを探してみる
ここからは普段やっているエントリー手法と同じことをしていきます。
この場面、一からラインを引いてどういう認識をしていくべきなのか、みていきましょう。
まず1波が出たという認識はOKです、次に2波、3-1波を待ちます。
2波にトレンドラインを引いて待っていると、そのトレンドラインとラス戻りを上抜く3-1波目が出てきました。
この3-1波が適当なところまで戻しを付けに来たところから拾っていったのが今回の卒業生さんのトレードになるわけですが、環境認識の時点でちょっと危ない場所かもしれないということがわかっていれば、「保険としての切り下げラインを引いていく」作業が大事になってきます。
この切り下げラインを抜けたらしっかりと動いていける準備が整っていると言えるというのが切り下げラインを引く意味です。
手放しでトレンドフォローとして攻めていけるような環境出ない限り、この切り上げ下げラインを引いて抜けからのエントリーを心がけるようにしてみてください。
親波起点から引くパターンと1波頂点から引くパターンの2種類ありますが、どちらでも構いません。3-1波が1波高値を抜いてくるパターンもあるのでその際は親波起点から引くだけになります。
角度の急な方が早いエントリー、緩い方がエントリーが遅くなりますが安全といった感じのイメージです。
そして3-2波が3-1波の中の3波根本を割らない状態でこの切り下げラインを上抜けて来たらエントリーOKです。
切り下げラインを抜いてくるということ=3-3波が出たと思ってもいいです。
3-3波が出る前から狙うのか、出てから乗るのかの違いですね。
状況が良ければ出る前から狙えばいいし、悪ければ出てから乗る方が良いのです。その状況の良し悪しを確認するのが環境認識という感じですね。
今回は切り下げラインを引いて待っていると、安値を切り下げてきてしまいました。
3-1波まで出た後に安値が切り下がったということは、これまでの2波の下落トレンドが更新されたということで、また最初から考えていかなくてはならないのです。
1波頂点から3-1波頂点に当てていた切り下げラインが2波最終トレンドラインとなりました。
そしてトレンド更新をした時に内側でもトレンドを付けていたので短期トレンドラインも引くことが出来ます。
そして流れとしては先ほどと同じで、3-1波の発生を待ちます。
一応3-1波が出てきました。
ただ、ここまで待ってみてみるとMAも下方向へのPOになってきており、最初の上昇1波の信頼度も低くなっていることを感じられるはずです。
こちらも切り下げラインを引いて待っていると、上抜ける前に安値更新でやり直しです。
そして再度同じ流れが繰り返されます。
こういう流れが見えていると、「あ、持ち合いってやつだ」っていうのが感じられます。
MAの流れを見ても、どちらかといえば下有利な3角持ち合いを作って来てたんだな~っていうのがわかってきますね。
セオリー通り狙うなら、こうした小さなリテストを拾っていかなくてはダメなのでしょうかね。
どちらかといえば、抜けの1波を基準として3波目を狙う方が僕は好きです。
まとめ
という感じで、条件が悪い場合は切り上げ下げラインを活用して抜けまで待つというのが大事だよという話でした。
3波目が出てから狙うのか、出る前から狙うのかの違いになってくるのですが、そのシナリオの強弱を知るためにも環境認識が大事だよということです。
今いる場所のちょっと前を大きく見よう。
これが大事です。
あとはしっかり切り上げ下げラインを活用して、待つべき場所まで待つ作業になれるのも大事です。僕も待つのが苦手で早めに乗ってしまいがちですが、やばそうな場面であればしっかり待つようにしてみてください。
ということで今回はこの辺で。ではでは。
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