どうも、モズです。
伝承記参加者さんからの質問で「フェイラースイングとノンフェイラースイング」という単語が出てきたのでちょっと取り上げておこうと思います。
僕はあきチャン先生の動画で学んでからは他の発信者さんの情報はほとんど見てきていなかったのでこの単語自体は知らなかったのですが、有名な専門用語なのでしょうかね。
調べたらタオル出てきましたが・・・
今回なぜこうした話題を取り上げようかと思ったかといえば、フェイラースイングとノンフェイラースイングが「トレンド転換」の考え方についての表現だったからです。
トレンド転換の考え方といえばダウ理論ですが、このダウ理論に関する質問は本当に多いです。
それだけ多くの方が悩まれている部分だと思いますので、また改めて解説しておこうと思います。
トレンドフォローで獲っていくための「基本のキ」なので、記事トップのアイキャッチ画像にしている部分がまだ曖昧に感じている方は参考にされてください。
かなり深堀した内容も差し込んでいるので、トレンド転換なんてわかっとるわいという方も復習と思って最後まで見ていってみてくださいね。
実際理解するのは難しいことをたくさん書いてしまいましたが、イメージとして持つことが出来ればだいぶ変わるはずです。
本来トレンド転換とはこうです!と簡単に解説出来るようなものではない、と僕は思っているのでちょっと長くなりましたが、根気強く読み込んでいってもらえたらと思います。
ではいってみましょう。
トレンド転換の考え方
質問頂いたのは上画像の①と②どちらを見るべきですか?というお話。
①がフェイラースイングで早い転換シグナル、②がノンフェイラースイングとして保守的なシグナルという感じで使い分けされていました。
結論から言ってしまえば両方見るということになりますし③のポイントにおける考え方も大事です。
ということでここからは僕の表現で解説します。
まず僕はトレンドに関しては「予測」「発生」「転換」の順番で捉えていってくださいねという解説をしています。
「予測」というのは主に「1波」のことを指し、この1波があるからこそ3波が伸びていくので、3波を狙うトレンドフォロートレードを行うためには重要な要素です。
環境認識を通して、より信頼度の高い1波の発見に努めていくことがまずは大事になってきます。
1波について
僕が普段トレード記事で使っているのは主に「優秀な1波」と呼んでいる波のことで、親波トレンドライン&ラス押し戻りの両方を抜いた波のことを指します。
これらの要素が片方だけのこともありますし、更に言えば「トレンドを付けた波」自体も1波として見たりします。
「意味=価値のある1波」を使ったトレードしましょうということですね。
こんな感じです。
「1波の価値を考える」ということを僕は常に大事にしています。
価値ある1波が見える通貨ペアを選び、価値の薄い通貨ペアは見ない、これが勝率を上げるためにするべき大前提ポイントです。
逆に言えばこの1波の見極めが上手くいけば勝率はぐんと高まります。
親波のトレンドラインを抜いたとか、ラス押し戻りを抜いたとか、トレンドを付けたとか、何かしらの意味をもった波が必要であり、どれだけの意味を持った1波になっているかによってその価値が高まってくるイメージです。
ここで一つ疑問に思った部分が出てきたと思います。
こう思いませんか。トレンドつけたんだから3波目だろと。
それはそれで正解だと思います。
ここから先の解説も僕の考え方なのであくまでも参考までにといった感じですが、僕はエリオット5波でスイングを見るというよりも、N字のスイングをどんどん追いかけてみていくことを重視しています。
もちろん4波5波の考え方もありますが、基本はN字の連続です。
1波があって3波がでたら、その3波が次の1波かもしれない、という風に見ています。
または最初の1波~3波までをまとめて1波としても見ています。これは大きなスイングで見るということにもつながりますね。
こうして順番に1波を見ていくことによって、「1波に対する付加価値」というのが増えていきます。
先ほどの初動1波は単純に親波トレンドラインを抜いただけという信頼度の低い1波でしたが、その次に3波目を出してN字を作りました。その3波を1波として見た場合には、親波トレンドラインとラス押し抜いてトレンドつけたという意味のある1波になっているわけです。
3波目を1波とするのか、これまでのN字自体を1波とするのか、これは状況によって違っていますがこれも両方で見るべきです。
ポジティブとネガティブというのは3波が伸びる範囲(距離)のことを指して言っています。
ネガティブで見た1波=3波の範囲で狙う方が堅実ですので僕は普段この狙い方をしています。
ポジティブ1波だろうとネガティブ1波だろうと「優秀な1波」の条件を満たしていることには変わり有りません。
逆に大して節目を付けずに一つの波で優秀な1波を形成してくることもあります。
トレンド転換部においてはダブルかトリプル系を作りにくることが多いので結果的にネガティブポジティブ1波となりやすいですが、ウェッジパターンであればこうした1つの波で優秀な1波を作りに来ることがありますね。
ここで一つ実際のチャートを見てみましょう。
先日トレード記事にも取り上げたドル円です。
まだ見てない方は見て貰えればと思いますが、トレンド転換からの3波発生中を狙おうねという内容で、ネガティブ1波=3波の距離で狙っていっていました。
上画像は最終的にポジティブ1波=3波を見れるようにエクスパンションを引いています。
記事最後に書いたように、ポジティブ1波=3波と3-1波=3-3波のゾーンから現在下落中といった様子です。
上画像の1波の中を見てもらいたいのですが、この1波を形成していく最初の過程がどうなっているかというのを見て下さい。
”結果的に見れば”長期的な1波を形成した流れの中のスイングです。
四角で囲った波全体が長期的な1波です。
この長期的な1波の中でもN字は形成されていきます。
どれが正しい1波でしょうか??
僕的には「正しい1波」という波を見つける意識というのは正しくは無くて、1波の「付加価値」を考えていく方が大事だと思っています。
ぶっちゃけ正解の1波なんてわからないというか、「結果的に見たらこれが正解の1波だった」というのがチャートが形成されてから見えてくるものだと思っています。
あくまでも「価値の高い1波」からの可能性の高い3波発生にかけていくのがFXトレードというものだと思います。
どう見るべきですか?とよく聞かれるんですが、全部見ましょうと答えます。
その中で価値を考え、まずはネガティブ(堅実)な範囲で狙っていきましょうと答えています。
・赤の1波は特に価値がありません。この赤1波基準で考えた3波を狙うのはリスキーです。
・青の1波は親波トレンドライン抜きとトレンドを付けたという意味のある1波です。次の3波目を狙うのは良いですが、親波ラス戻り抜きが出来ていないのでそこで跳ね返されるリスクがあります。
・緑の1波は赤青をまとめた1波ですが、トレンドラインを抜いたN字1波という意味を持ちます。3波目を狙うリスクは青と同様で、3波の行き着く先が青と違います。
それぞれこういった違いがある感じですね。
結果的に見ればこういったスイングで長期的な1波が形成されているんだなというのがわかります。
この大1波の発生によって親波のラス戻りを上抜けた、価値の高い1波になっているというのが分かると思います。
1波=予測という話をしましたが、これは大きなN字で見た段階の予測です。
そしてセオリー通りに見るならば「転換」でもあります。
トレンド転換について
では本題に戻ってトレンド転換とはどこなのか?という話。
まず結論から言ってしまえば、「トレンド転換もサイズ感によって場所が違う」という点につきるし、この点がイメージできないからこそ混乱する部分であるということです。
フェイラー、ノンフェイラーの部分でも書きましたが、小波でトレンドが発生し、親波ラス押し戻りを抜いた場所がまず見るべきトレンド転換です。
そしてこの認識は見ていくスイングのサイズ感によっても変わるし、本格的な転換は「3波根本」を抜けてから、というのが僕が普段見ている認識です。
以上を踏まえた上で、上画像の大1波の中で見られる「予測」「発生」「転換」の場所を見ていきます。
タイミング的にはこういった感じになります。
先の1波の解説の時のタイミングというのは、僕はあくまでも「予測」として見ているといった状況だったというわけです。
この緑の1波で見た時でも既にトレンドが発生しているわけですが、それはそれで見るべき「発生」ポイントです。
でも大きな流れで見た時にはあくまでも「予測」段階の1波として見るべき場所であるということです。
画像は日足なのですが、4時間足レベルで見れば大きなN字トレンドを付けているわけで、それらを発生、転換と見ていってしまいます。そしてそれはそれでいいのです。
大事なのは大きなスイングにおける「1波」の中であるという認識を持てるかどうかです。
これを持てない方が非常に多いですし僕だって難しいです。
大小のスイング、長期足短期足のスイング、このスイングの組み合わせによって「大事な節目」であったり「ダウ理論におけるトレンドの認識」が変わるということを理解した上でチャートを見ていかなければいけません。
この組み合わせの考え方というのがチャートを読み解く上で一番難しい部分だと思います。
なので、大小のスイングの組み合わせによって1波からの予測、発生、転換を見るとするならば・・・
こうなりますよね。
さぁ頭がこんがらがってきましたか?
僕の記事ではトレンド転換はこうです!と簡単に解説しませんからね。
本来これは簡単に解説出来るものではないと思うんですよね(‘_’)
トレンドの認識が誰でも簡単に出来たら誰だって簡単に勝てますから。
これがわからないから簡単に認識しようとして色々なインジに頼っていくことになって、結局使えないってなって悩むんです。
トレンド転換の本質を意識してください。
インジはその補助です。結局はシンプルに移動平均線が最強ですよ。
最重要な転換ポイント
話がそれましたが、「転換」を考える上で見ていく大事なポイントがもう一つあります。
「転換」というのは小波でトレンドの発生をさせつつ親波のラス押し戻りが抜けてからこそ起こるもの、という認識は正しいと思いますが、実はもう一つあります。
3波根本という考え方です。
これは僕の普段のトレード記事でも頻繁に出している話題ですが、トレンド転換を考える上で初心者さんが混乱する要素の一つでもあると思います。
あきチャン先生がよく「ラス押し戻り」のことを「3波根本」のことを指して言っている時と、単純な「直近のラス押し戻り」のことを指している時と2つの時があるので、あきチャン先生チルドレンがよく混乱しています。
ラス押し戻りと3波根本というのは似ているようで似ていない要素を含んでおり、価値としては3波根本の方が高いと思っています。
似ているようで似ていないというのは、週足のように大きなスイングで見た際は3波根本とラス押し戻りが同じ場所に見えるということを指します。
赤いスイングが週足とかで見た際の大きなスイング、緑が4時間足レベルのスイングだと思って見て下さい。
週足のように大きなスイングだと単純なN字に見えるスイングであれば、直近の最後の節目がラス押しであり、3波根本にもなっているというのがわかりますが、緑のスイングだとラス押しというのはもっと上にあるわけです。
そして赤い大きなスイングの3波目自体を見ていった場合も、緑のスイングであれば1波~3波の流れがあるはずです。
適当ですがこんな感じです。
見ていくスイングのサイズ感によって大事な節目、ダウ理論におけるトレンド転換の考え方が変わるというイメージがつくでしょうか。
緑のスイングで見ていくならば、赤のスイングのラス押し3波根本はトレンドの起点として見ることになるでしょう。
トレンドの起点、3波根本、これは言葉としてはまったく別のことを指していますが、違うサイズのスイングで見てみると同じ場所を指すことがあります。
違う言葉なのに同じ場所を指す、同じ場所なのに違う言葉で表す。
これがFXの勉強していて矛盾を感じる部分であったり混乱を招く部分の一つだと思います。
あきチャン先生はトレンドラインと切り上げ下げラインを同じ言葉で表したりしなかったり、ラス押し戻りと3波根本を同じ言葉、時には違う言葉で表します。本人は頭の中でははっきり区別して活用しているので、勉強しているうちにこういうことかとわかったのですが、僕はそれで苦労したので、僕の記事でははっきり分けて解説していますので安心してください。
そしてトレンド転換にも1波に対する付加価値と同じように価値があり、ラス押し抜きと3波根本抜きの2段階で存在する、という風に僕は見ています。
ラス押し戻り抜きでもトレンド転換として見ていけますが、転換のための最終目標が3波抜きであるというイメージです。
そしてこの価値の考え方が見ていくスイングによって変わるということですね。
出来上がったスイングから3波根本の見つけ方
ついでに既に出来上がっているスイングから3波根本の簡単な探し方を紹介しておきます。
これは1波=3波となる考え方から逆算して考えるもので、これが正解というわけではありませんが僕はこうやっています。
3波は1波よりも大きく出る、という話がよくありますが、それは結果的な大1波の中で発生する1波≦3波だと思っておくと良いです。
1波はどこまで伸びるかわからないというのが基本の考え方なのですが、どこまで伸びるかわからない大1波の中で発生するN字の3波目というのは1波≦3波となりやすいです。
そして基準の1波をどこと考えるかによっても3波の長さというのは変わるので、その辺もちゃんと意識した上で考えていくべきことです。
今回は既に小波のトレンドが出ていて、親波の3波根本はどこだろう?と見ていく時に僕がやっている3波根本の見つけ方です。
先ほどのドル円でやります。
適当な節目にフィボナッチエクスパンションを当てて、逆算して1波=3波となる節目が3波根本です。
こんな感じでエクスパンションを当てて、小波のスタート地点に100%が重なる節目を探してみてください。
そして3波根本の節目に色の違うラインを引くとわかりやすいですね。
つまりはこういう状況だということ。
「ここを〇抜かれるまでは~」という表現は混乱を招くと思いますが、「3波根本を抜くことで本格的なトレンド転換」という考えの元での表現の方法になります。
先のトレード記事でも書いた気がしますが、左側の下落トレンドというのは日足レベルで見たスイングにおけるラス押し抜きの下落1波です。
この下落1波の中の3波根本がココという話です。
この下落1波の価値はどうでしょう?日足や週足といった長期的なスイングのラス押しは抜けていますが、最終トレンドラインは下抜けていません。
一先ずはその最終トレンドラインを下抜くための最初の1波といったイメージでしょう。
この下目線のシナリオで見るならば、これまでの上昇トレンドというのは2波です。
なので現在は、下目線で言うならば下落2波のN字が1波=3波の範囲で完成したよというタイミングになりますね。
当然下落2波目というのは上昇トレンドなので、この上昇トレンドの中の3波根本を下抜けることで下落3-1波目がスタートです。
下落1波で作った最安値を下抜けることで3波目が本格的にスタートするといった流れですね。
逆に上目線で見れば、下目線1波は上目線2波です。
上目線2波の中の3波根本を上抜けることで上目線3波の発生が濃厚になってくるといった感じですね。
しっかり上に伸ばしていくためには3-1波のトレンドラインを割ってくるくらいの2波が必要だと思うので、それが3波根本を下抜けない程度に出てきてくれれば大きな上昇に繋がっていくんじゃないかなと思います。
直近の親波節目を踏み台にして登っていく可能性もあるので、そうなれば上目線としては楽ですね。
下目線3波根本であるフィボナッチ61.8が上目線においては当面のターゲットです。ここを抜けるときはズバッと抜けると思うので、抜けたら78.6まで狙えそうです。
こんな感じで両方のシナリオを考えるのが、僕が普段やってる両目線シナリオの考え方です。
両方の目線のシナリオを考えた上で、直近の値動きから価値を探し、確率の高い場面で仕掛けていくこと。
これがFXトレードの理想であり、僕のやってる伝承記で解説していることの本質です。
まだの方は是非。
まとめ
ということでこれまでの話をまとめるとこんな感じ。
・1波で作った高安を抜いたらトレンド発生、そして親波ラス押し戻りを抜いたら転換
・トレンド発生=大きな流れで見れば予測の可能性を考えておく
・本格的な転換は3波根本を抜けてから
・見ていくスイングによって予測・発生・転換のタイミング、場所は異なるし、予測・発生・転換それぞれの場面におけるスイングの価値も違う
ということで、ここまでに色々な「価値」の話を書いてきました。
「正解」ではなく「価値」です。
価値=信頼度です。
高い信頼度が「理想」を生み、「現実」になっていきます。
その「理想」とは何なのか。
3波発生なのか、3波根本抜きなのか、トレンドを発生させることなのか・・・
色々ありますが、それらが僕らトレーダーが「狙っていく値動き」のことです。
何を基準に価値を見出し、その価値から理想を考えるのか。
全ての場面において同じような価値が発生し、同じような現実となっていくのかといえばそうではありません。
でも限りなくその理想が実現する可能性が高くなる場所を見つけていくことは可能です。
前回紹介したドル円トレードはまさにそれです。
価値の高い大1波が見えていて、大3波目の発生を見てから狙っていったトレードです。1波=3波のN字を作りにいくことがほぼ確実になった、最終段階に参加したトレードです。
今いる場所ではどのような価値が生まれ、どのような理想(シナリオ)が描けるのか。
それを考えていくために正解を求めるのではなく、スイングの持つ「価値」について考えてみると良いと思います。
今いる場所、タイミングによって考えるべきことは変わってくるので、柔軟に対応していけるようにしていきたいところですね。
ということで今回はこの辺で。
ではでは。
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