どうも、モズです。
今回はトレード記事では無く、ちょっとした解説記事になります。
長くなったので2つの記事にわけてお届けします!
題材としてはこんな感じ。
・過去検証ってどうやるの?
これをメインテーマとして据えつつ、過去検証の中でどういったことに気を付けて見ていけば良いのか。
・親波はいつ判断するか?
・トレンド転換はいつ判断するのか?
・そのローソク足は何波に含まれているか?(波の数え方)
についてです。
過去検証やリアルトレードをしていく上で色々と複合的に考えておくべきことはあるんですが、今回は上記3点に焦点を当てて解説します。
伝承記参加者さんからの質問で多いのが、「どういう過去検証をすればいいのかわからない」というものがあります。
それに対してお答えしているのは、「何を以て○○を判断するか」を考えながらやってみてくださいということです。
この○○に入るのがトレンドラインだったり、トレンド転換だったり、波の数え方だったり、1波の考え方だったりするわけですね。
伝承記の中でこの「何を以て」という”条件”を提示しているわけですが、その考え方も含めて今回の題材で解説していきます。
・何を以て親波を判断するのか
・何を以てトレンド転換とするのか
・何を以て波を数えるのか
過去検証をしていく上でどういった流れで見ていけば良いのか、まっさらなチャートに少しずつラインを引いて一緒に見ていきましょう。
ということで、本題へどうぞ!
今回の題材は直近GBPUSDです
丁度伝承記参加者さんからの課題提出でGBPUSDの物があったので、直近のポンドルで解説したいと思います。
2020年の9月頃から11月末現在までの4時間足チャートです。
まっさらな状態からどういったラインを引いて、どういう認識をしていくのか、という過程を解説するので、過去検証をしていく上での参考にされてみてください。
ということで、今回見ていくのはこの場面です。
画像がでかいので拡大してみてくださいね。
ご自分のチャートを開いて一緒に見てみてください。
こういった場面を見ると、左の下落トレンドが親波だな~ってのが何となくわかると思いますが、過去検証をする時は「リアルタイム感」を重視して見ていって下さいね。
何を以て親波を親波として判断するのか?
左に見えていた下落トレンドにトレンドラインを引いてみました。
そしてそのトレンドラインを上抜けてきているのが上記画像の場面になるわけですが、リアルタイムで見ている時、この場面はどういう意識で見るべきでしょう?
僕ならこう見ます。
「トレンドラインだけを抜けた上昇1波が出た」
です。
僕のトレード記事でよく出てくる言葉に「優秀な1波」というものがありますが、これは「トレンドライン抜けとラス押し戻り抜け」の両方を達成した波のことを指しています。
今回の場面でラス戻りは何処かと言えば・・・
画像赤○の部分が明確なラス戻りですよね。
底の方でもラス戻りっぽいものは見えますが、「明確なラス戻り」という位置づけであれば画像赤○の部分がそれです。
なので今はまだトレンドライン抜きの1波が出ただけの状態だなという認識で、これまでの下落トレンドは「親波(仮)」みたいな状態です。
トレンドラインを抜けただけの1波に対してトレンドラインを引いて、いつも書いてあるような条件が揃ったならば、上昇へと転換していくわけですが、今回はそうはならずに下落に転じていきました。
そもそもの話ですが、トレンドラインを上抜けた波を上昇1波と見るというシナリオと、トレンドラインを上抜けた波を下落2波と見るシナリオの2つを考えておく必要があります。
「トレンドラインを上抜けた上昇1波が出た」というのと、「下落1波のトレンドラインを上抜けた下落2波が出た」という2つのシナリオを考えているわけです。
この辺の話は長くなるので割愛しますが・・・
こんな感じだから下落シナリオの方が強いよねって話です。
今回は最初の画像の場面でどう判断するかという話なので、最後まで読めばなぜ今回下目線で見た方がよかったのかがわかるかなと思います。
ということで先ほどの場面に戻りますね。
安値が更新されたので、当然トレンドラインも新しく引き直します。
そしてそのトレンドラインを上抜くだけの1波が出ているかも・・・という状態です。
先ほどと同じ状態ですよね?
でも過去検証をして、親波を探してどうのこうの・・・みたいなことを見ている時、↑の場面だけしか目に入って無くないですか??
最初に提示したような場面でラインを引いて、何故上昇に繋がらなかったのか、という検証をしてください。
トレンドラインを抜けた1波が出て、片方は下落し、片方は転換していく。
何故?
これを理解していくのが過去検証です。
先が見えてしまっているから、転換部分だけを練習しようとするのは良く無いです。
都合の良い場所とはどんな場所なのか?というのを見つけられることがまずは大事ですが、都合の良い場所だけを見つけようとするのは良くありません。
同じようにトレンドラインだけを抜けた状態の形があるにも関わらず、都合の良い場所だけを抜き出して検証するというのは負けトレードに繋がるので注意してくださいね。
同じようにトレンドラインを上抜けてくる波ですが、何が違うのでしょうか?
この辺はケースバイケースなのですが、今回の場面において見ておくべきことを紹介します。
まずトレンドラインを上抜けて来た波を上昇の1波として見ると決めた上で判断していきましょう。
先ほども書きましたが、上昇1波=下落2波の可能性もあります。この辺書き出すとキリがないので、今回は上昇1波と仮定します。
とするならば、
・左の上昇1波はトレンドを付けながらの波であるということ
・右の上昇1波は3点底を付けた後に一気に抜けて来た(トレンドを付けてない)波であるということ
という風に見ることが出来ます。
個々に特徴を見ていきましょう。
1つ目の流れはこう見よう
ここで1つ考えておいてほしいことがあります。
「N字(トレンド)は完成すると次は戻る」
という考え方です。
普段のブログでもよく書いているんですが、1波=3波のN字が完成してしまうと、相場は勢いを少し無くします。
エリオット的には5波目まで出るのですが、考えが複雑になるので今回は3波までで見てみます。
とすると、左の波はどうなっているでしょう?
1波の定義として、ラス押し戻りやトレンドラインを抜く波、というものを僕は指針として持っています。
画像内に書いた波は1波になるのではないか?という疑問を最初に見た時に思った方、それはそれで正しい判断だと思います。トレードに使う判断としての良し悪しは置いておいて、ですが。
こうした小さな波であってもトレンドはトレンドです。引いて無いですが、トレンドラインだって引けるのです。
1時間足で見ればもっとわかりやすくトレンドになっているはずですよね。
こうして小さいスイングで見てみると、この1波は「トレンドラインもラス戻りも上抜いた優秀な1波」なわけです。
じゃぁ何故トレードに使う判断としては良くないのでしょう?
その理由は、僕は今4時間足のスイングを基軸に見ているからです。
「自分が今どの時間足のどのスイングを基軸にトレンドを見ていくかを決めること」というのは凄く大事で、「大小どっちの節目を見てトレンド転換を判断すればわからない」という方はこの考え方が無いから混乱するわけです。
僕が今回の場面で見ているスイング(トレンド)はこれです。
この基本となるスイングがあって、その中にも小さなスイングが見える、という感じで大小2種類のスイングを見ているといった感じなんです。
基本となるのは大きなスイングで、この大きなスイングを切り崩してくるきっかけを小さなスイングで見つけていくというスタイルなわけです。
基本となるスイングではまだラス戻りは抜けていないのでトレンド転換はしていないが、小さなスイングでは上昇トレンドを付けている、という状況が一つ目です。
つまり1つ目の状況は、「トレンドラインもラス戻りも上抜いた優秀な1波」ただし小さなスイングに限る、という条件付の1波であるということです。
そしてその小さなスイングではN字が完成し、1波分のエネルギーを消費してしまっても基本スイングのラス戻りを抜くことが出来なかったために、基本スイングの下落トレンドの流れに戻っていったという見方になるわけです。
フィボナッチエクスパンションを使い、条件付き1波=3波の位置を割り出してみました。
100と書いてある場所が、1波の長さ分、2波の安値から3波が伸びる予定の場所です。
2波の安値が決まったという判断はどうするの?って話ですが、これは短期足に切り替えてからのトレンド転換のタイミングで行います。
この辺も話すと長いですが、僕がいつもトレード記事で載せてるやり方です。
こうして見て見ると、初動の1波発生後、1波分の長さだけの3波では到底親波ラス戻りを抜けないことがわかりますよね。
最初の条件付1波から3波が発生し、それがトレンドラインを抜けて来た、この波全体を1波として見ておいて、更に次の3波によってラス戻りを抜けてくるかどうかを観察する、というのがシナリオになってきます。
同時にこれが下落トレンドの戻りの動きでは無いのか?というシナリオも考えておくという感じですね。
そもそも親波トレンドラインの下にあるうちはロングトレードすべき場面では無いのですが、こういった検証は行うようにしてみてくださいね。
2つ目の流れはこう見よう
では2つ目はどうでしょう?
・右の上昇1波は3点底を付けた後に一気に抜けて来た(トレンドを付けてない)
これがトレンドラインを抜けてくる過程で起こっていた内容でしたね。
N字が完成しておらず、1波のエネルギーだけでトレンドラインを抜けて来た、という見方が出来ます。
ということは、ここからの3波を期待できるのではないか?といった見方が出来るわけです。
3波の長さは1波の長さで測るのが基本です。
そしてトレンドラインを抜けてくる1波が出た時点で、左に流れていた波が親波(仮)=基本スイングという判断をするという話を先ほどしましたが、この親波のラス戻りを抜けていない場合、初動の1波から見た3波の可動域は最高でも親波ラス戻りまでで見ていきます。
つまり、1波の長さ分3波が出るかもしれない、そしてその中で親波ラス戻りまでの範囲で狙えるかもしれない、といったシナリオが作れてきます。
2つ目のケースも同じようにフィボナッチエクスパンションをあてがってみました。
こうして見て見ると、1波=3波でしっかりと出た場合に親波ラス戻りを抜けてくる可能性が見えてきますよね。
とは言え、親波ラス戻りというのは非常に抵抗が強いので、抜けるまでは親波ラス戻りまででの範囲で狙うことが鉄則です。
しっかり抜けたら再度大きく狙えるチャンスが見えてくるといった感じですね。
ここまでのおさらい
ここまで解説してきたことを一旦まとめておきましょう。
・1波が出たら左に見えている波が親波(1波の一つ目の条件はトレンドラインを抜けること)
・この1波が何を抜けたかを意識すること(トレンドラインだけなのか、ラス押し戻りを抜けているのか、そしてどのサイズ感のスイングに対するトレンドライン、ラス押し戻りを抜けているのか←超重要)
・1波=3波の長さで3波が到達できる場所を予測する。基本となる大きなトレンドのラス押し戻りが抜けていない場合、狙えるのはラス押し戻りまで
何を以て親波を判断するのか?ということについてですが、この判断材料の一つは1波の存在になります。
そしてこの1波についても、「何を以て」という考え方が大事なわけです。
トレンドラインを抜けてくる波、ラス押し戻りを抜けてくる波、これが1波になるわけですが、見ていくトレンドのサイズ感によって1波の判断箇所も変わってくるわけですね。
ここで混乱して適当に1波を判断しないためにも、自分の中で基本となるスイングを見られるようにしておかなければならないわけです。
自分の中でルールを決めること。
これが大事なわけで、そのルールを決める基礎訓練が過去検証なわけです。
普段は大きなスイングでしっかりトレンドを見ているのに、いざトレードになると小さなスイングばかり気になって尚早なトレードを行ってしまうのは、大きなスイングと小さなスイングの関係性がしっかり理解出来ていないからです。
ということで、長くなってきたので今回はこの辺で一旦区切っておこうと思います。
次の記事で、「トレンド転換っていつなの?」「実際のトレードにはどう生かすの?」「波の数え方は?」という部分を解説していきたいと思います。
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